生きたがために


石の中を魚が泳ぐ
何億年も前から
彼の生きる場所から酸素は奪われた

最早息苦しいとも思えず
ただぐるぐると微動だに出来ず
同じところを泳ぎ回る

ただじっとがらんどうになった瞳で訴える
目の前を動くものの 朽ち果てる様が羨ましいと
早く自分も崩れ落ちることを夢見ている

しかしそれでも
彼はまだ
自分の記憶の中で悠々と泳ぎ続けている

そうなってもまだ
彼は泳ぎ続けたいと思っている
そういう風に生きたがために

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