2.シロツメクサと月の話
海の見える山脈を背にした月の容貌は青白くて 道端に倒れている男の顔色よりも更に寒々しかった
ぴくりとも動かない手足の爪先から 青い光は徐々に透き通っていく
全てを覆い尽くすと そのまま地面へ影となり融けてなくなってしまった 旅に倒れた者は(神、みたいな得体の知れないもの。またはこのように月)に食われて消えてゆく 路傍に咲くシロツメクサだけが一部始終を見ていた ただ、月光を浴びるシロツメクサが美しかった夜の話
次へ 戻る