雲を掴むと、塵になって消えた。
 もう一つ掴んでも、同じように冷たさだけが掌に残った。
 もう一つ、また一つ。
 気が付くと、雲は一欠片も残っていなかった。
 上方に佇む新しい雲が、僕を見下ろして笑っていた。

 続き 帰る