夢の中で、僕はまたものを壊していた。
「何で僕はこんなにもものを壊しているんだろう」
僕は答えなかった。
黙々と、河原の石を積み上げていた。
「何を不安がり、怒り、哀しみ、ぶつけているのか」
河原は異様な静けさに包まれていた。
「彼女はこんな僕を見て、何て言うんだろう」
手は、僕の言葉に一瞬だけ止まった。
痺れを覚え始めた頃に、また動き出した。
「怒って『馬鹿ね』って言ってくれるのか、それとも何も言ってくれないのか」
指先は拗ねたように動きを止めなかった。
最後に石の塔を崩そうとして――結局、出来なかった。
曖昧な意識の中で河原は視界から消え去り、僕は目を覚ました。
嵐は明けて濃い霧の森を覆っている中、鳥の鳴き声は高らかに響いていた。
心臓の動悸は激しく僕を揺さぶっていたけれど、吐き気を覚えながらも僕は満足していた。
風が吹いて、降り注いだ樹雨(きさめ)が窓硝子を叩いた。
僕は、それに急かされるようにベッドから起き上がった。
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