背中にある蒼白い輝きは、少しずつ明度を増しているようだった。
窓の桟に腰掛けると、そこを境にして空気は一変していた。
ひんやりとした空気を撫でると、空気が震えたようにも感じられた。
「もう、話を続けても良いかい?」
「ああ、お願いするよ」
「六月猫の力は、尽きようとしている。
彼の力は、もう時間を止めてはおけないんだ。だから、君は選択しなければならない」
「あなたの力は及ばないのですか?」
七月猫の瞳が、一際紅く燃えた。
「出来る。僕の力を加えれば、彼は再び安息を得るだろう。
時の針が動き出しても、君もこの世界に永遠に留まり続けられる」
「土壌もできていますからね。彼は、既に人の殻にいて、無能の人間ではなくなっている」
風になったことかと尋ねると、二人は重々しく頷いた。
「このまま行けば、君はこの世界の住人となる」
「でも、私にはあなたにその選択をお勧めすることは出来ない」
「そうだね、理由があるから」
二人の声に翳りが走るのを、僕は身を固くして聞いていた。
「永遠は、幸せじゃない。君も知っているだろう?
この世界に留まり続けている人間はいない。
皆、結局は望むんだ、連鎖を断ち切ることを」
「彼だけです、未だにこの世界にいるのは。
彼はこの世界の行く末を見届けるために、
そして同じ過ちを繰り返す者を作り出さないために残っている」
誰を指しているのかは、すぐに分かった。
しかし彼も、狐と同じく、永遠という不幸を放棄していた。
僕はもう会えない二人のために、軽く嘆息した。
眼前の二人は、僕の言葉を聞き届けようと視線を遠慮なくぶつけていた。
僕は前々から決めていた答えを、深い息と共にゆっくりと吐き出した。
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