また空を仰いでいると、東の空の方から、燃えたぎる赤い石が掌にすとんと降り立ってきた。驚いて、掬っていた両手でそれを放ったら、海の方に真っ直ぐ落ちていってじゅわじゅわ音を立てた。空には戻らないのかと真っ暗闇の縁を覗いてみたが、それはそのまま海の底の方まで落ちていったらしく、朝の来るまで待ってみても何の音沙汰もなかった。
 町に戻った後でふと思い出し両手を医者の所まで持っていったのだが、何も異常はないと言う。単なる悪戯でしょうと青年医師は告げて、看護婦に取り敢えずの軟膏を出させてそれっきりにした。

 そうそう、思い出したことがある。落ちてすぐの頃くらいに、あっという声がしたので見てみると、彼の漁師が、背筋をぴぃんと伸ばし唇をわなわな震わせていたのだ。

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