夜空

 黒い羽を生やした少女が、一人きりで海岸の崖下の洞窟に住んでいるのだという。両親や兄弟達は物珍しがりの金満家達に狩られてしまって、他人に会うのが怖いから、老練の漁師以外は近付けないそこでずっとそうしているんだと老いた漁師は教えた。うずくまって、小さな石を常に胸に抱いている。満ちた潮が年に数回彼女の胸元まで押し寄せるが、それでも洞窟の一番奥深いところで、深い碧の瞳を石に差し向けているらしい。

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