無限に続こうかという穴ぐらの底で、誰かが泣いていた。
すすり泣く声は一向に止む気配が無かったが、助けられる知恵も一緒に穴の中で泣いてあげられる勇気も僕は持ち合わせていなかった。
すると警吏がやって来たので、これ幸いと僕は事情を説明し、僕に代わって助けてくれるように頼み込んだ。
そしたら警吏は突然怒り出した。
「すると君はずっとそこに突っ立っていただけなのかね」
「ええ、そうですが」
「彼は何かの原因で泣いているというのに、原因を追及するでもなく、慰めるでもなく、ただぼうっと」
彼が手にしていた棒で僕の胸をつくと、僕はよろけてそのまま穴の中へ落ちた。
次に目が覚めたとき、僕は砂漠の砂を両手につかみ、月はもう勝って気ままないつもの散歩へ繰り出して帰るところだった。
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